牛たんを焼きすぎました

トリマー専門学校の後輩が、同じペットショップに就職してきた。地元の駅が一緒だったことから専門学校時代から顔見知りで、ふたりともEXILEのファンだったことから意気投合した。自分が卒業した後もLINEやメールで連絡をとりあい、学校の推薦と自分からのアドバイスも良かったのか、無事同じ職場に就職することができた。可愛い後輩なので、心底嬉しく、面倒をみてやろうと思った。その気持ちは今でも変わりはない。いや、むしろ、面倒を見てやらなければという強い使命に変わった。

gyu_005学年が違ったので後輩のトリマーとしてのレベルは知らなかったのだが、かなりあぶなっかしい子だった。トリマーとしてあぶなっかしいというより、かなりの天然である。性格は真面目で、時間にも正確だが、残念なことにそれを上回るありえないドジっぷりで、約束の時刻に間に合わないこともしばしばあった。

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例えば良く晴れたなんの問題もない通勤時に、なぜかマンホールに片足をつっこんで消防車が出動する騒ぎを起こす。通学・通勤客など周囲を巻き込んでの大騒動だが、助け出されてみると全くの無傷。レスキュー隊員が出動する程の事態ではない。本人にも悪気はなく、誰も誰をも怒れない。当然仕事は遅刻。休日に電話で助けて欲しいと連絡があり、後輩の家に行ってみると、なぜか部屋は煙が充満している。聞けば「牛たんを焼きすぎました」と。確かにコンロ上のフライパンには、かつで牛たんだったであろう物体が乗っている。ひどく焦げてしまったものだけ覗いて牛たんシチューに作り替えてやったが、牛たんすら違う物体にしてしまう、本当に目が離せない後輩なのだ。